昨今のコロナ禍もあり、なぜか遠い記憶にも感じるRWC2019。その日本代表のS&Cコーチを務めた太田千尋氏をゲストに迎えた。
国際武道大学の笠原政志教授と同じく、彼が学生の頃に初対面。その後、社会人となりトップリーグのクボタスピアーズのコンディショニングを担当した頃から、所々で時間を共にする機会があった。お互い前を向く力が強く、話しをするとあっという間に時間が過ぎる。彼は一見、パワープレイのような推進力で進んでいるが、そのための土台作りにも余念が無い。エビデンス、協力を得る人脈、行動に移す社会的意義などをしっかり作っていく。だからこそ信頼を勝ち取り、初めて日本で開催されたラグビーワールドカップの舞台でS&Cコーチとして参加する事が出来たのだろう。彼が良く口にする言葉は「やれることは全部やる」。代表チームでの一つのスローガンも「ハードワーク、ハードリカバリー」。正に、成果は一朝一夕にあらずという事か。社会的に働き方改革やら、ライフワークバランスやら、耳当たりの良い言葉が並ぶが、本当に結果を出している人は、そんな生き方には無縁だ。結果が欲しければ「やれることは全部やる」、こういったスポーツマインドを今後の日本社会で残していくために、背中を見せられる大人が増えて欲しいと感じさせる人間である。
(2020.6.29 発起人)